オーダースーツ<赤裏地>福岡

こんばんわ。

TANGOYA FFB店 山之口です。

小雨が降るさびしい夕刻。昨日の明るい夕方がもうなつかしい感じです。

今日出来上がりスーツ2着を受け取りにいらしたA様、

パンツが補正になってしまい申し訳ありません。

でもまた新たに1着ご注文を頂き、有難うございます。

そして・・また同じ赤い裏地・・

男の美学にもいろいろあると思いますが、出来上がり2点も

今回の新たなご注文も同じ裏というのはイカシテます。

(私も大好きですね、そういうの)

そういえば 世の中 上下下下下下 と5本パンツでスーツを

作るような物好きは自分だけだろうと思っていたら、ナント

2,3日前に5本パンツスーツのお客様がいらっしゃいましたネ。

私としては、他はさておき、同じ趣味の人に出会ったような

感動を覚えたのでありました。(表向きは冷静におズボンは5本でございますね・・とか)

 

男のお洒落は案外哲学や信条と結びついたりしているところが、

おもしろいですね。 ところで余談ですが、お洒落という字の

シャという字が酒(サケ)ではないというのを皆様ご存じでしたか?

このシャは捨てるのシャと同じ意味の洒(サラス)ですよね。(一本棒がない)

洒脱(シャダツ)のシャも同じ。酒(サケ)とは関係ない洗い落とす感じの意味ですね。

 

本来お洒落ってゴテゴテと飾る事ではなく、余計なモノをそぎ落とした先にある何か

個人的な境地だとおもうのですが。

 

ところで酒で思い出しましたが、学生時代、酒好きの悪友Hはいつも

アパートの一室でギターを弾きつつ(吉田拓郎のペニーレーンでバーボンを など)

よく 人の世に愉しみ多し しかれども 酒なしにして 何の愉しみ (若山牧水)

と言っては酒を飲んでいましたネ。

 

もうひとつついでに

なにもかもいやになりゆく この気持ちよ 思ひだしては煙草を吸ふなり(啄木)

これは私のお気に入り。石川啄木ってきっと生れる時代が違えばパンクロッカー

になっていた系の人だと思ってます。

 

またまた長くなっちゃいました。

最後にテーブル上のA様の2着の画像を貼って今夜は失礼いたします。

紺とグレーの同じような縦縞の2点、

同じ色の釦、同じ赤の裏地、私は深いシャダツな精神を感じます。

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